2011年12月3日土曜日

アドバンスト・マラソン・トレーニング

アドバンスト・マラソン・トレーニング 』(ピート・フィッツィンジャー著/スコット・ダグラス著/前河洋一監訳/篠原美穂共訳/ベースボール・マガジン社)


本書と『 eA式マラソン走力UPトレーニング 』の続編『 eA式マラソン新常識トレーニング 』を参考に延岡西日本マラソンに向けたトレーニングメニューを検討しています。

著者のピート・フィッツィンジャーは、ロサンゼルス五輪とソウル五輪の米国代表。スコット・ダグラスは、15年以上ランニング関連のジャーナリズムに携わるライター。

マラソン初心者レベルより一段上を目指したいランナーや、これからマラソンデビューを考えている中・長距離種目のエリートランナー向けの内容となっています。

第1章から第6章までの第1部マラソンを理解するための章。生理学的な特性、トレーニング理論、栄養学、回復、補強運動、テーパリング、レース戦略などが130ページにわたり詳細に解説されています。改めて勉強になりました。

第7章から第12章までの第2部では、レースまでの具体的なトレーニングプログラムがレベル別に紹介されています。特に、複数レース(次のレースまで12週のケースなど)のスケジュールは参考になりました。

「期分け」、「トレーニングの種類」、「負荷(追い込みすぎない)」など eA式との共通点も多く、理解しやすかったです。

■生理学的特性
マラソンのカギとなる下記6つの生理学的特性の中で、筋繊維の割合以外は適正なトレーニングで改善できます。それぞれの特性と能力を高めるためのトレーニング方法が解説されています。
  • 遅筋繊維の割合が高い
  • 乳酸性作業閾値(LT)が高い
  • グリコーゲン貯蔵量が多く、脂肪の利用効率が高い
  • ランニングの経済性に優れている
  • 最大酸素摂取量(VO2max)が高い
  • 回復能力が高い

■トレーニングの種類
トレーニングの種類は8つに分類されています。
  • LT走
  • ロング走
  • ミディアムロング走
  • マラソンペース走
  • 有酸素走
  • スピード走
  • VO2maxインターバル
  • 回復走

LTを高める
LT走 ... LTペース(15km~ハーフマラソンのレースペース)で20分以上。ウォーミングアップ15~20分。LTペースで20~40分。クールダウン15分。

グリコーゲン貯蔵能力と脂肪の利用効率を高める
ロング/ミディアムロング走 ... マラソンペースより10~20%遅いペースでロング26~35km、ミドル18~24km。最初の2~3kmはゆっくり、8kmまでに20%遅いペースまで上げ、最後の8~16kmが10%遅いペースとなるように走る。
マラソンペース走 ... マラソンペースで走るロング走またはミディアムロング走。

ランニングの経済性を高める
有酸素走 ... マラソンペースより15~25%遅いペースで16km以下。トレーニング量を増え有酸素能力が改善される。
スピード走 ... 100mの疾走を10回など。インターバル(jog or walk)は100~200m。70mまで加速して残り30mを流すように走る。十分なウォーミングアップ後、または有酸素走や回復走の最後に実施。

VO2maxを高める
VO2maxインターバル ... 5kmのレースペースで疾走区間は600m~1600m。インターバル(jog)は疾走時間の50~90%の時間。マラソントレーニングとしては最優先の課題ではない。

回復を促進する
回復走 ... 最高心拍数の76%未満でゆっくりと。

負荷的に並べると、
VO2maxインターバル > LT走 > マラソンペース走 > ロング/ミディアムロング走 > 有酸素走 > 回復走

■トレーニングプログラム
走行距離別に18週間と12週間のトレーニングメニューが日単位で紹介されています。
  • 週53kmから始め、ピーク時の週間走行距離88km
  • 週87kmから始め、ピーク時の週間走行距離113km
  • 週105kmから始め、ピーク時の週間走行距離137km
  • 週129kmから始め、ピーク時の週間走行距離170km

現在の走行距離だとピーク時113kmのレベルが参考になりそうです。

■18週間の期分け
  • 6週間 ... 持久力
  • 5週間 ... LT+持久力
  • 4週間 ... レース準備
  • 3週間 ... テーパリングとレース
  • レース後5週間 ... 回復

12週間前と8週間前は回復中心のメニューになっています。

■複数のレースのための期分け
次のレースまで12週、10週、8週、6週、4週のスケジュールが紹介されています。次のレースまで12週間あれば悪くない、10週間は許せる範囲だそうです。紹介されているスケジュールは、ピーク時113kmのランナー向けのトレーニング量になっています。

延岡西日本マラソンまでは11週間ですが、その場合、12週間のスケジュールに従って、6週間前の週を省略するそうです。
  • 3~4週間 ... 回復
  • 5~6週間 ... トレーニング
  • 3週間 ... テーパリングとレース
レース後は全く走らないか軽いトレーニング。トレーニング継続の場合は5週間の回復メニューに沿う。


その他、2部練習の話(マラソンランナーの場合は週間走行距離が121kmを超えるまで2部練習は行わない)とか、有酸素系クロストレーニング(自転車、水中ランニングなど)の種目毎のメリット、デメリットなども参考になりました。

タイム向上を目指すランナーにはとても参考になる本だと思います。

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