2010年9月5日日曜日

ゆっくり走れば速くなる(復刻版)

『 ゆっくり走れば速くなる(復刻版)』(佐々木功著/ランナーズ)

著者はソウル五輪女子マラソン代表浅井えり子さんを指導し1995年に亡くなられた佐々木功監督。初版の『ゆっくり走れば速くなる』は1984年に刊行され、LSD(ロング・スロー・ディスタンス)を広めることになった草分け的な本です。私も高校時代に何度か読んだ記憶があります。復刻版は浅井えり子さん監修の元、初版本より30%部分がカットされているそうです。

■LSDの効果
本書に書かれているLSDで期待できる効果は以下のとおりです。

1) 末梢毛細血管を増やす
2) 正しいフォームを身につける
3) 積極的に疲労回復を図る
4) コンディションを引き上げる
5) グリコーゲンを枯渇させ持久的能力を向上させる
6) 減量(脂肪燃焼)

これまでLSDというと、1),2),5),6)のイメージしかなく、LSDはポイント練習だと思い込んでいました。しかし本書では、3)積極的休養や、4)コンディションを引き上げる効果についても強調されていました。確かにLSDの翌日とても調子の良い時があります。2月に参加した初ハーフマラソンの時も前日に180分LSDを実施したのに調子が良かったので不思議に思っていましたが、納得しました。

LSDの後半、自然とペースが上がれば疲労れが抜けてきた証拠。1回のLSDで疲れが抜けなければ、疲れが抜けたと実感するまで繰り返す。

スケジュールを追うのではなく体調を追いかけろ!

最近LSD後半にペースが上がらないのは疲労の蓄積があるからかもしれません。ポイント練習は水、土。前日は60分jogと決めていましたが、60分では疲労が抜けきれず蓄積していたのかもしれません。汗といっしょに疲労を体の外に出す。LSDで疲労が抜けたことを実感できるまでは次のポイント練習に進まないようにしたいと思います。

ちなみに、私がホームコースとしている調布市の野川公園ですが、当時、佐々木監督や浅井えり子さんたちがホームコースにしていたと本書で知りました。確かに芝が生え、適当に坂もあり、ランニングには非常にいい環境が整っているコースです。

■LSDで開発できない能力
LSDで開発できない能力として、スピード筋力が上げられています。4時間でマラソンを完走するのであればLSDだけでも達成できるが、サブスリーを目指すレベルではスピード練習は不可欠。LSDだけで速くなるとは書いてありませんでした。

「3時間を切り、さらに10分の短縮をめざす」の章では、その対策として、クロスカントリー走(トレイルランニング)、ヒルトレーニング、レペティショントレーニングを推奨しています。当時は週に1回程度の頻度で、高尾山~陣馬山を走っていたそうです。今はトレランブームですが、30年近く前からその効果を評価されていたとは驚きです。レペティションは野川公園の1kmコースで、3km、2km、1kmなどをされていたようです。

スピード練習で心肺を鍛えても受け皿(血液を筋肉まで運ぶ末梢毛細血管)が少なければ有効に酸素が使われない。スピード練習だけではいつか頭打ちになる。という部分も納得です。やはりLSDとスピード練習の組み合わせが大切なのだと思いました。

■トレーニング計画
ポイント練習→休養(LSD)→調整(BU、スピードプレイ)→ポイント練習のサイクルを推奨しています。ポイント練習では持久走(ロング走)、持続走(ペース走)とスピード系の練習の組み合わせやトレーニング強度の目安が書かれています。

「フルマラソンを4時間で走りきるために」の章では、1年でマラソンに出場するためのトレーニング計画が書かれています。ここでも、走り込み→休養→調整→レースの流れを推奨しています。

走行距離を極端に落としてでもレースまでに完全に疲れを抜いた方が良いと言われます。確かに走り込み期のあとに休養期間が無いと調整期間に走り込みの疲労も抜かなければならず、疲労が抜けきらない危険性があります。走り込みをポイント練習と考えれば休養するのは自然な感じがします。走り込み期のあとのオーバーホール期間は取り入れてみたいと思います。

翌日に疲れを残さないようなトレーニングはトレーニングではない。しかし翌週へ疲れを残すようなトレーニングもトレーニングではない。

1時間かけて3マイル(約4.8km)を走れなければ強い選手にはなれない。

今回20数年振りに読んでみていろいろと気付かされることが多かったです。ジョガーにもランナーにもお薦めの一冊です。

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